支部長雑感

段取り8割

2026年04月26日

さる3月29日、第15回芦原会館九州大会が開催されました。
例年通り、館長をお迎えして、また今年は総本部より指導員2名の方にもご臨席いただきました。
ありがとうございました。
幸い、大きな事故もなく大会を終えることができました。

15回を数える九州大会ですが、近年は八代支部、城南支部、熊本支部などからの多くの道場生、保護者の方々のご協力をいただき、本当にスムーズに設営・進行・選手招集・片付けを行うことができるようになりました。
今大会も大いに助かりました。ウェブ上ではありますが。厚く御礼申し上げます。
また、九州地区統括、師範代、九州各支部の支部長始め多くの関係者の方々にも感謝申し上げます。審判員を務めていただいた方々もありがとうござました。


話は変わりますが、かつて私が従事していた業界団体の、その役員であった方のお一人から度々お聞きした言葉があります。この方は、前職は熊本県警に勤めておられました。

さて、その言葉とは、
「すべからく世の中の物事は『段取り8割』です。」
というものでした。

およそビジネスにおいては、その業界の全体規模が大きいほど、収益の大きさと比例します。
したがって、自身の経営する会社、企業のみが利益を出せば、それで万事うまくいくわけではありません。
その業界の、市場においての認知度や社会的評価の向上、利用人口の増加、ひいては市場拡大のために、意欲して業界内に同種同業の団体を立ち上げ、まとまりのある組織として、社会的活動を続けていかねばなりません。
私も会社経営上、業界団体に加入及び活動を続けている中で、上記の役員の方と親しくなり、この「段取り8割」という言葉を教わりました。
これは、当該団体として開催する大きなイベント、市場に向けての発信、継続した社会活動などを行う際に、その準備段階でよく言われた言葉でした。

これを一般的な例えを挙げますと、学校内での定期試験、大学入試など、勉強しないと受からないものは、当たり前ですがその日の本番試験だけを一生懸命頑張っても合格しません。すなわち、それ以前に、長く辛抱強く勉強を続けないといけません。
それこそ、事前準備がものを言います。
野球などのスポーツ、空手など武道修行、ボクシングなどの格闘技なども然りです。日頃の練習、稽古、そしてトレーニングこそが最も大切なものです。
かの伝説的ヘビー級ボクサーのモハメドアリ氏の名言です。
「勝負は、人目のない場所できまっている。
戦線の裏側で、ジムで、ロードワークの最中に。
スポットライトの下で踊る前に、もう勝敗は決まっているんだ。」

そして、芦原会館の世界大会、全日本大会、又は九州大会のような地方大会など、多くの人が協力して物事を成し遂げようとする事柄や事業も同じです。
準備期間としてそれは長く、そして多くの要件、要素がからんできます。
準備にかかわる人の数も多いです。
しかし、とにかく事前準備を怠らず、一生懸命に本番に向けて頑張り、準備万端整えば、その本番は開催前にすでに成功したのと同じことになります。
開催中のアクシデントも、予定・予測の範囲内となります。
そう「段取り8割」です。


ひるがえって、私たちが日常行う武道、そしてその稽古も、何のためにやっているのかを理解すると、来る本番が容易に、そして楽々と達成できるものになるのではないでしょうか。

では、この「来る本番」とは何を指すのでしょうか。
これは、「人生の歩み」そのもののことだと思います。

いやいや大仰にものをいうなと言われそうですが、これは私の本心です。
真の武道修行とは、強さを誇ることではなく、大会に勝つことでもなく、名誉を獲得することでもありません。
人生を強く歩める力を身に着けることへの事前準備です。

私の学んだこの「段取り8割」という言葉は、
人が行うその日常の努力は、コツコツと目立たず地味で、面白くない、辛抱臭いものですが、しかしその努力こそ「段取り8割」であって、己の人生の歩みが間違いなく成功となることへの示唆だと思います。

押忍

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