支部長雑感

ブルーオーシャン

2026年07月27日

2022年末で終了した私のビジネスマン人生を振り返ってみても、特に誇れるものはありませんでした。その役員生活30余年において、その後半のほとんどは、経営の立て直し、倒産回避の連続でした。いわば後ろ向きの仕事が主でした。

どれほどの経営危機だったかを表現しますと、長年にわたって顧問税理士を務めていただいた先生がかつておっしゃっておられたのが、
「社長の会社よりはるかに財務内容の良い会社がバタバタ倒産していましたよ」
というレベルの危うさでした。
とにかく、つらかったです。
それが10年以上にわたり続きました。

いや、ネガティブなことを書き続けていたら、読まれている方が気分悪くなられると思いますので、この辺で。

結果としましては、2022年秋には、負債を完済しました。
本当にやり遂げた感がありました。
これを機会に、この年の末をもって社長職を後進に譲りました。
私の役割は終わったと思えたからです。


遅くなりましたが、本題です。
倒産危機のさなか、苦しい心持ちが続く中、私が長きにわたり何を思っていたかといいますと、
「目の前の問題から逃げない」
「誠実を貫く」
この2点でした。

辛さから逃げられないのは、世の中のどの社長も同じだと思います。しかし、立て直しのために、つい自らの手を汚してしまう経営者もいるかもしれません。

したがって、私が思ったのは、
「もし万策尽きても、この2点だけは守っていこう」
ということでした。

そうして、経営を続けました。
すると、数年が経った頃から、不思議な巡りあわせが起こり始め、必要な時々に必要な方々が現れて、会社を助けてくれるようになりました。
また、会社を取り巻く経営環境もタイミングよく変化していきました。
例えば、2008年にリーマンショックが起こりましたが、その後の回復期において、日本の株価がわずかに上昇した時期がありました。それに連動して短い期間ではありましたが不動産市況が多少良くなりました。その機を逃さず、手持ちの不動産を高値で売却することができました。
また、金融再編で、メインバンクが他行との統合によって設立した新たな銀行の方針で、不良債権先であるわが会社への対応に関し、好条件で条件変更に進むことができたり、さらには、本業にて思いがけず収益が上がり、困難であった借入れの一部弁済をなすことができたりしました。

このようなことが、会社の周りで、連続して起こるようになりました。嬉しい出来事や状況の変化が何回も続いたのです。
こうして、前述のとおり、負債を完済できました。
助けていだいた方々、取引関係、金融機関など感謝しても尽くせません。

この一連の回復劇は、今思い出しても不思議で仕方ありません。
会社を取り巻く状況が好転していったことは何故だったのか。

もしかしたら、経営立て直しをするに当たって心に決めた、先の2原則を守り抜いた結果が、会社再建につながったのではないでしょうか。
なぜそのように思ったのか。
それは、ビジネスの才覚や能力にたけた人間でない、全くもって平凡な私が持っていたのは、これだけだったからです。

そして今、なんとか困難な状況から抜け出すことができた私が、今までの経験に即して獲得した、いいえ、いただくことができた「人の心の在り方」はこうです。
おそらく多くの方から青臭いと云われそうですが。

それは、
人生において、
誠実さの果てに
努力の果てに
優しさの果てに
つらさや辛抱に耐えたその果てには、
澄み渡った青空、ぽっかり浮かんだ雲、
どこまでも続くブルーオーシャンが広がっているのだと。

押忍

2026年07月27日

ブルーオーシャン

2026年06月26日

これから、これから(市井編)

2026年05月28日

治らない病い

2026年04月26日

段取り8割

2026年03月27日

才能と継続(その3)

2026年03月24日

才能と継続(続き)

2026年03月23日

才能と継続

2026年02月27日

埒虎鬚

2026年01月26日

証明なき証明

2026年01月01日

カッコ書き

前の10件<< >>次の10件