2024年05月31日
いつの頃からか、外出の際、あまり突飛な服装で出かけることがなくなりました。
この点について、
長年、武道稽古を続けていくうちに、対する相手に隙を見せたくないという気持ちから、そのような服装が嫌になってきたのです。
たとえば、なんの用事もない時でも、外出のときにはスーツを着るようになりました(そのような時はノータイですが)。
そして、シャツのボタンはきちんと上まで留めて着ます。
靴は革靴です。
さて、スーツのような服装を着て歩いている、又は車に乗っている、そのような人を見たとき、他人はその人をどのように思うでしょうか。
おそらく、少なくとも第一印象で、
「こいつはいい加減なやつだろうな」
とは思わないと思います。
つまり、相手に付け入る隙を与えないということです。気安く安心させないともいえます。
もちろん、本当の自分というのは、真に中身が大事なのであって、外側ではありません。
しかし、時・場所での格好というのはかなりその人の印象を決定付けてしまいます。
このような考えを
「なんて窮屈な考えなんだ」
と思われる方も多いと思います。
しかし、普段の稽古により、日常生活で、その中の何気ない時間であっても、何が自分にとって大事か、何を優先して考えなければいけないのかが分かってくると、服装の窮屈さなど些末なことに思えてきます。
隙を見せないという考え方が、ちょっと硬いんじゃないかと思われるかもしれません。
では、違う表現で云わせていただくと、
何かの用事で会う方に対して、きちんとした服装で応対することは、
「私はあなたのことを大事に思っていますよ」
という心の表明になっているものだと思っております。
そしてその時には、自己の振る舞いにも軽々しさがなくなります。
歳を重ねてきたこともあるとは思いますが、服装に気を遣うという、ほんのちょっとの窮屈さを心で了承するだけで、相手には気持ちの良さを、自身にはシャキッとした心構えを与えてくれるのだということが分かってきました。
押忍
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