2024年06月30日
人それぞれ個性があり、体格や筋力、気質などにより、空手において戦い方が違います。
例えば、先代館長や現館長は柔らかくしなやかな動きの上に、強力な突きや蹴りをお持ちです。
普通はなかなかそこまでいかず、多くの道場生は、中途半端な柔らかさ、攻撃力となってしまいます。
そこで、道場では、それぞれの人に合わせて足りない部分を補うような指導をしております。こと、空手は基本稽古に代表されるように、形から入っていきます。その形を繰り返し練習することにより、少しずつ本質に近づいていくのだと思っております。
私は、自分のカタチを精密に作り上げること、これこそが「武の道」の第一歩、そして最終到達点だと考えております。
しかし、道場で稽古する道場生も、ただ漫然と指導を受けるだけでは足りません。強くなるためには主体的な稽古を続けないと、なかなか本質にまではたどり着くことができないのではないかと思います。
ところで、「達人の筋肉」と呼ばれる部位が人間の体の中にあります。「腸腰筋」と呼ばれています。いろいろな武道の書籍に、達人ともなると、その筋肉を自在に使いこなすことができるのだと書いてあります。とても重要な筋肉だとも力説されています。
しかし、どの指導書や解説の類を探してみても、その筋肉の動かし方や使い方を教えてくれるものはありません。なかなか口や文字で示すことができるものではないからかもしれませんが。
しかし、
腸腰筋の場所を指し示すことは簡単です。
(例えるならば、パソコンの電源スイッチの場所)
それが動いているかどうかを示すのも簡単です。
(パソコンの起動の仕方)
さらに、どのように身体を動かせば腸腰筋が働くのかを知るのは簡単です。(ウィンドウズなどOSの立ち上げ)
このカッコ書きを見ていただくと分かるように、パソコンの起動など何ということないものです。こんなこと誰でも知っているし、また、動かすことができます。何の自慢にもなりません。
腸腰筋の話もこれと全く同じです。
これらのことは、その道の入口でしかありません。
何が言いたいのかと申しますと、身体操作の上で、腸腰筋を自在に使って、融通無碍な動きができる達人は、そんじょそこらにおりません。
だから人から教わることもできず、そこに至るためのマニュアルも全く存在しないということです。
結局、今日のお話の最初に戻ります。
自分自身が主体的な稽古を続け、空手など武道の本質を自らの手で掴んでいくしか方法がないということだと思います。
押忍
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