支部長雑感

武道的歩き方

2018年03月07日

武道を修行するうえで、「歩き方」はとても重要なものだと思います。

一日に使う稽古時間などたかが知れています。
しかし、人は生活するうえで一日長時間歩きます。
この歩きを研究することで、大げさに言えば、一日中稽古しているほどの効果があると思われます。

日頃、街を歩くとき、周りを歩いている人達の歩き方を見てください。
多くの人たちの歩き方の共通な点は、①身体が上下すること、②足音がすることだと思います。

この2点は、武道的な動きを考える上でマイナスな要素だと思います。
①身体が上下するのは、膝しか使わないで歩いているからだと思います。身体の特定部位しか稼働させない動きは複雑な動きを要求される武道には向いていません。腰・股関節・膝・足首・足裏など下半身全体を使う歩き方をすると身体は上下しません。
②足音がするのは、片方の足が地面に着地するとき、かなりの衝撃を主に膝のみに集中させてしまっている証拠だと思います。膝に衝撃があるということは、着地の瞬間ごとに膝に力がかかり、その時点で一々身体の動きが止まってしまっている証拠だと思います。
音無し、つまり足の裏をそろっと着地させるような歩き方は、膝に衝撃がなく、①で申しました足首を始め他の部位も一緒に連動して、流れるような下半身の動きになっていると思われます。
つまり動きに淀みがなく、相手に動きを気取られないことが可能になってくると思います。

以上、身体を上下させないことと、足音を立てないことの2点を意識して歩く習慣をつけると、武道的にスムーズな動きが自分の身に着いていくのではないでしょうか。
しかし、やってみると慣れないうちは疲れます。そして、歩き方を意識することもすぐに忘れてしまいます。
何度も忘れたりしながら、それでも辛抱強く続けると、自分自身の身体が、いつの間にか武道にとって必要な歩行技術を備えてしまっている可能性が高くなると思います。

武道的身体の修得は、何事も自然に、そして継続、これらが必要ではないでしょうか。

押忍                           

※最近、道場生に普段の歩き方をよく話しているので、以前お話した「歩き方」を再掲しました。
この歩き方は、おそらく長期間の実践により、高齢になった時、歩くスムーズさ、速さ、又は膝痛の有無などで、同年齢の方とはっきりとした差として現れてくるものだと思います。
つまり、「武道的」とは表記しましたが、「武道イコール人生そのもの」との観点から申しますと、まったく日常生活における歩き方に即応できるものだと確信しております。

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