支部長雑感

表現者

2013年08月26日

色帯は、昇級審査で黒帯の先輩方の胸を借ります。
以前書きましたように、昇級審査には基本や型などと並び組手が
あります。

芦原会館の審査における組手は、黒帯は攻撃せず、審査を受ける
白帯色帯が攻撃します。黒帯はサバキを駆使し、相手を制圧する
ことを目的としているのです。芦原会館の審査はサバキ習得の
稽古の場所でもあります。

私が2級茶帯の時、九州北地区の昇級審査でのことです。
審査が進み、組手の時間になり、それぞれ級の低い方から順に
組手を行っていきました。

私の番です。
私が攻撃し、黒帯の先輩がその攻撃を捌こうとします。しばらく
攻防が続きました。その後、先代館長から「止め」のご指示が
あり、お互い開始位置に戻りました。他の組手を行っている
人たちも組手を止めて元の位置に戻りました。

先代館長は、私の相手だった黒帯の先輩に、「そんな受けだったら  サバくことできないよー」とおっしゃいました。
そして、審査をされている机を離れ、私たちの方へ歩いてこられ
ました。
私の方に向き直って、こうおっしゃいました。
「何でもいいから攻めて来いよ」と。
先代館長自ら動きを示されるので、周りの審査に参加している
100名以上の全ての道場生が先代館長を注目しました。
先代館長は、ワイシャツ姿のままです。

思わずたじろいだ私は、気を取り直し、思い切って攻めました。 
私は、先代館長がフワッと膝を出されたところまでは覚えて
いましたが、次の瞬間、気が付くと天井を見ていました。
おそらく、私の右ローキックを膝ブロックして、軸足である
左足をカッティングされたのだと思います。私の身体は、宙を
1回転し仰向けにひっくり返っていたのです。
そして、反撃することが出来ないように、ピシッと制圧されて
いました。
全く痛みはなかったです。

周りからは、「おおーッ」という声や驚嘆の溜息というか
声にならない声があがりました。

空手に限らず、およそ「道」の熟練者は技を「表現」できます。
熟練者のそれを、技に秀でたとか、技が使えるなどと言いますが、
私は技を「表現」すると形容したいと思います。

ご指導いただき、味わった感動を忘れずに、私自身も「この道」
で技を「表現」できる人間になりたいと思っております。
                                                       押忍




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