支部長雑感

がんばれ、K君

2018年12月06日

こういうことを書くと、読んだ道場生は、すぐに「自分のことだ」とわかってしまいますが、あえて書きます。

K君は、初段に挑戦して、数回保留になりました。現在も1級のままです。
やはり本人は落ち込みます。
もちろん、厳正な審査の結果ですので、本人がしっかりと受け止めなければいけないのですが、さすがに複数回保留が続くとなると・・・。

今、K君には以下の言葉を送ります。
「チャレンジの心を持つこと」と「莫妄想」です。

審査と審査のあいだ、いろいろなことを考えてしまうと思います。
それが自分自身の空手の実力のことならば、それは鍛錬や思考方法の改良などで解決していけるものです。簡単に言えば、稽古しかありません。稽古で解決していけば良いのです。
しかし、もしこれ以外、もしかしたらこのまま受からないのではと考えたり、また、自分のことを人がどう見ているかということが気になったり、これらを意識し始めるとやっかいです。

K君、チャレンジだよ。
偉そうに言わせてもらえば、チャレンジこそが人生の目的であり、そのまま最終目標なのです。「結果」や「悟り」というものは、チャレンジが表徴もしくは変形したもので、チャレンジこそが原型だと思うよ。

次に、莫妄想(妄想するなかれ)です。
自分の耳に入ってこない他人の思いや考えは、自分にとって無存在のものです。それらの思いにやつれてしまい、疲れ果て、挑戦をやめてしまう、これらは絶対進んではいけない方向だと思います。
保留になったことに対するネガティブな感想や意見をK君は直接聞いたことはないと思います。それならば良いのです。そんな意見は存在していないのです。
だから、そのままで良いんだ。

他の例を挙げると、最近、道場に復帰してきたH君は、以前熊本支部が水前寺にあった頃、稽古していた者です。
彼は、仕事の関係上、日曜日に開かれる昇級審査をまったく受けることができませんでした。
なので、ずっと白帯でした。何年もです。
しかし、H君は本当に熱心に、そして楽しそうに稽古を続けました。
彼が道場に来られなくなって、その後に入門してそして黒帯になった者が何人もいます。しかし、復帰してきた白帯のH君は、その黒帯の誰よりも先輩なのです。
帯の色を気にしないその姿勢は、武道を続けている人の見本になると思います。

黒帯を締めているから強い訳ではありません。稽古を続けているから強いのです。このように書くと、前回の話と違うではないかとお叱りを受けそうですね。しかし、どちらも本当のことです。

先代館長が座右の銘にされておられたお言葉が、芦原会館の道場訓の一つになっています。
「チャレンジの精神を持ち続ける事」

いろいろ話したけど、そういうことだ。
K君、大丈夫だ。
チャレンジを続けることで必ず帯はとれる。

押忍

2019年01月31日

ハイC

2019年01月23日

「立ち合い」考

2019年01月19日

シロ

2019年01月01日

嘘を教えた指導員

2018年12月27日

法隆寺を作ったのはだれ?

2018年12月06日

がんばれ、K君

2018年11月14日

やせ我慢が黒帯をつくる

2018年10月13日

「とりあえず」の行動、そして心

2018年10月10日

「黄金の左」逝く

2018年09月10日

先代館長のワイシャツ

前の10件<< >>次の10件