2013年08月16日
前回の続きです。
男は、山籠もりがしたかったそうです。
いつも、
「山籠もりがしたい!」
「山籠もりがしたい!」
「先生、山籠もりに連れて行ってください!」
と支部長にせがんでいたそうです。
ある日、その男のしつこさに、いい加減業を煮やした支部長は、
「よし、そんなに言うなら、山籠もりに連れて行ってやる!」と
おっしゃったそうです。
そして、必要な食料と道具を仕入れ、二人は支部長の車で山籠もりに 向けて出発しました。
男の嬉しそうな顔が想像できます。
到着した そこは、熊本の山奥の廃校でした。
降り立った男は、廃校の持つその雰囲気に満足していたそうです。
支部長は、持ってきた食料と道具を降ろしました。
そして、一言、
「いいか、今から山籠もりを始める!
……じゃ、頑張れよー」と。
支部長は、ビューッと車を走らせ、廃校を後にしました。
土ぼこりの残るなか、男は一人ポツンと廃校に立って、走り去る
車のテールランプを見つめていました。
男の希望は叶いました、……かな?
1987年7月、私が芦原会館に入門した時に、この方は道場に
おられませんでした。現在その頃の道場生は殆んどいませんので、 私一人の心の中で伝説となった方ではあります。
押忍
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