支部長雑感

「弱さ」と向き合って30年

2017年10月05日

日頃より、人は自分自身の弱点や至らないところを気にしたり、悩んだりしています。
私はどうもそれが過ぎる傾向があるようです。

しかし、昔から、多くの人が自己の至らなさを克服するための努力を続けてこられたと思います。
たとえば、柳生石舟斎、山岡鉄舟、高橋泥舟といった方々は、自ら名乗る号に「浮かばない舟」の名を付けました。
おそらく、この偉大な先哲たちは、浮世の波に踊らされないように、自らの信念にしっかり沿うことが出来るように、時代の変化に動じない人間になりたいために、あるいは反対に、既にその境地に至った証として、このような号を名乗られたのではないでしょうか。
逆に、勝海舟のように「オイラは、荒波に飲み込まれるようなヤワな舟じゃないよ」と自信をのぞかせる名前もありますね。

私は、このような方々のようなかっこいい雅号を名乗ることは出来ませんが、心のなかでは右に書いたような、それこそ物事に動じない人間になりたいと思っております。

振り返ってみますと、私は30年前に、先代館長への憧れから「芦原空手」を選び、その道を歩きはじめました。
しかし、自身の「弱さ」を克服したいという気持ちも、空手を始める大きな動機でした。
年数を重ねるだけで、なかなかに成長できないもどかしさを持ちながらも、なんとか今に至っております。これからも芦原空手の道を歩みながら、自分を成長させることが出来たらと願っております。

思いますに、いろいろな職業、学問、芸能、または武道などを始めるにあたり、人は、分からないなりに、その「道にすがって」歩きはじめ、あえぎ喘ぎ歩くうちに「道を使い」成長するということが分かり始め、さらに年数を重ねると「道が自分か、自分が道か」という境地にまで行き着くのではないでしょうか。

まあ、このような事をグズグズ考えるというのは、まだまだそれだけ「弱い」ということでしょうか。

芦原空手を始めて30年目の秋です。
この新しい季節に、館長から新しい気持ちを頂くことができました。
更なる努力をかさねる決意をいたしました。

押忍

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