支部長雑感

嘘を教えた指導員

2019年01月01日

あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願い申し上げます

芦原会館の総本部及び全国各支部の指導員は、誠実に、真摯に空手指導を行っております。
この点、武道としての空手を続けている指導員としては、常に自分の稽古、自己鍛錬が本業です。強さの維持、向上がなければ、人に教えることなどできません。何年も空手修行を重ねていろいろなことを身につけていきます。それを土台に、芦原会館の指導マニュアルと合わせて自分の学びや理解したことを道場生に伝えていくのです。

努力を続けている指導員たちは、それぞれ長い修行のあいだ、技術や精神などいろいろな面で気付きがあります。その中には、以前は正しいと思って指導していた技や身体の使い方が間違いだったと気付くことも多いのです。

私の経験で例えてみたいと思います。
芦原空手における「構え」についてですが、これは先代館長や館長から従来よりご指導があり、多くの指導員が理解し、体得しているところであります。
私もこれについては、直接のご指導のほか、お二人の実際の動きや映像で見て学んで、自分なりに理解していたつもりでした。
しかし、この「構え」方の細かなニュアンスを道場生に伝えようとすると、これはかなり難しいものになります。
7、8年ほど前まで道場生に「構え」を説明する際には、言葉では「構えは前足荷重が大事です」や「前荷重で、さらに親指側に力を入れると反応の良い動きになります」などと説明していました。
その後、稽古を続けていて、武道的身体操作に関してほんの少しですが理解が進みますと、以前の説明で表すところの「構え」は間違いであることに気づきました。
今では、「足と足の真ん中に重心があることが大切です」「肩の力を抜いて姿勢良く構えます」「足と地面の間に空気の層があるが如くふわっと立ちましょう」などと指導しています。

ということは、以前通っていた道場生に対しては、嘘を教えていたことになります。申し訳なく思っています。

しかしです。
稽古において、同じ場所に留まり続けることは、努力のあかしにはなりません。常に研鑽を積んで、少しでも「武の奥の奥」までたどり着きたいものです。
そして、奏功して更なる技術向上、武道に関しての理解が進んだとすれば、指導内容で必ず二たび三たび道場生に嘘をつくことになると思います。

そこで、道場生へのお願いとなります。
当会館の指導員の指導で、以前言っていたことと現在のそれが違うと感じたり、嘘をついてたんじゃないかと思われた時は、逆に、その指導員は進歩している、進歩するための努力を続けているのだと思ってお許しください。

私も今年は「あの指導員は嘘をついていた」と思われるほど進歩したいと思っております。

押忍

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がんばれ、K君

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