支部長雑感

「立ち合い」考

2019年01月23日

稀勢の里関が引退しました。
非常に残念ですね。
押しても組んでも良い、そして強力無比「左のおっつけ」など自分の相撲の型を持っていた力士でした。
稀勢の里関が全盛期の時には、差し手争いに負けて右四つになってしまった相撲をまず見たことがありませんでした。それくらい左のおっつけが強かったです。あの白鵬関との取り組みでも左四つになれば必勝でした。
本当に、怪我さえなければと思います。

白鵬関の連勝を63で止めた時、「稀勢の里、やったぜ!」と叫んでしまいました。
連勝記録というのは、優勝や勝ち星数の記録と違い、単に長く相撲を取り続けたら獲得できる記録ではありません。
角聖双葉山関の69連勝という記録は、奇跡のような記録です。ありえない記録だと思います。
それに肉薄した白鵬関もすごいです。
その連勝を止めた稀勢の里関は長くその名を相撲史に留めることでしょう。

ほんとうにお疲れ様でした。
しかしながら、怪我がなければ、今後ももっと活躍できた力士だったと思います。

ここから話を変えます。
以下、全くの私見であります。

近年、これだけ大相撲の世界で怪我が多いのは、力士の大型化もさることながら、立ち合いの決まりとして、しっかり手を付くことが義務付けられたのも一因ではないでしょうか。
昔の大相撲を映像で見ると、昭和30年代から60年代にかけて、立ち合いでは両力士とも手をつかずにぶつかります。
すると、姿勢が若干起きていますので、それほど強い当たりになりません。当たりが強くないので、四つ相撲に持ち込むのも比較的容易です。四つ相撲からの怪我は少ないのではないでしょうか。

現在の立ち合いは、いうなれば「よーいドン」の世界でありまして、姿勢が低く、ひどく強くぶつかります。
ぶつかる威力を出すため、力士は身体を無理やり大きくせざるを得ません。
そして、どうしても大きい身体で短期勝負に持ち込む押し相撲優位の状況となってしまっていると思います。

さらに、手をついての立ち合いは、相手とのタイミングを合わせるためではなく、タイミングをはずす手練手管の駆使するための立ち合いになってしまう気がします。
逆に、立ち合いで手を付かず、立ち気味にぶつかることは、そうそうタイミングをずらすことができません。より公平な立ち合いになる気がするのです。

北の湖さんが理事長の時代に、立ち合いに両者息が合えば手を着かなくても是とする通達があった気がしますが、立ち消えたようです。
今後もなかなか相撲協会としては、立ち合いで手を付かなくてよろしいとの変更・通達はできないでしょうね。

すみません、好き勝手なことを話してしまいました。

押忍

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