支部長雑感

弱きをくじく

2022年03月27日

以前にもお話しましたが、2013年にこの「支部長雑感」を書き始めるにあたり、私は「イデオロギーに関する話をしない」ということを決めていました。
今回も、自らの主義、思想に関することをお話しするものではありません。
しかし、戦争のことです。

先月、ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始しました。
ロシア大統領は、長年柔道を続けており、高段者でもあります。氏が武道稽古を続けていくことで得たものは何なのでしょうか。

たとえば、武道を収めた者の考えとして、いつもお話しする相対的思考があります。また、武道は「弱きを助け強きをくじく」という境地に至る修行でもあると言えます。

強い者が弱い者に対して強いのは当たり前です。
しかし、その当たり前を現実に行ってしまうと、それは、近くにあっては「イジメ」「暴力」「傷害」ということになってしまいます。
大きくは「武力による威嚇」「武力の行使」「軍事介入」「戦争」となります。

もちろん、国家規模においての紛争と個人間でのいさかいを比較することはできません。国際紛争はもっとはるか複雑な問題や事案が絡み合っているものだということはわかります。
ロシアにはロシアの事情があるのでしょう。
しかし、現実のウクライナでの戦争を見るにつけ、強きものが弱きものをくじいているように思えて仕方ありません。

また、これも以前お話ししたことですが、かつての政治家でこのような言葉を残された方がおられました。

「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対腐敗する」
ジョン・アクトン(イギリスの思想家・政治家、1834年~1902年)

まったく「歴史は繰り返す」です。
人が人であり続ける限り、権力の腐敗は繰り返されます。そして、戦争は、かならず大義、自衛の名のもとで繰り返されます。

人類の歴史は戦いの歴史であり、強き者が書き記してきた歴史であるとしてしまうと悲しい気持ちになります。
どうか武道を収めた者ならば、弱きをくじくような行為を続けてほしくないと思います。

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