支部長雑感

キング・ケニー

2017年03月02日

2輪レースの最高峰「モトGP」、以前は「ワールドグランプリ500ccクラス」と言われていました。

2017年の現在においても、この2輪最高峰クラスで、未だに語り継がれるシーズンがあります。
1983年のグランプリです。
この年は、全12戦中、フレディー・スペンサー6勝、ケニー・ロバーツ6勝と二人で勝利を分け合った年でした。
ホンダ対ヤマハの戦いでもあったのですが。

ワールドチャンピオンを最終戦まで争ったお二人のうち、私はケニー・ロバーツさんの大ファンでした。
ロバーツさんは、アメリカのご出身で、ヤマハYZR500を駆り、1978年から1980年まで3年連続世界チャンピオンになり、「キング」の称号を得ました。
みんながロバーツさんのことを「キング・ケニー」と呼んだのです。

小柄ながら自在にマシンを操り、だれよりも早く、しかも安定的なライディングで転倒もしない選手でありました。
彼のマシンコントロールの素晴らしさの例として、1984年のラグナセカ・レースがあります。
マルボロ・ヤマハのチームメイトであるエディー・ローソン(彼も、後に4度世界チャンピオンになっています)と全く同じセッティングのマシンでレースを戦い、そのレースでケニー・ロバーツは優勝しています。
レースが終わって、両者のマシンのタイヤを見ると、ケニーのそれはまだ使用に耐えられるほど残りがあり、エディーのタイヤはすでにズルズルの状態だったそうです。
それほどにケニーのマシンコントロールは素晴らしかったのです。

また、今では常識であるハングオン(ハングオフ)というライディング・テクニックはロバーツさんが考案し、そして使い始めたものです。
オンロードバイクを操るライダーの100人中100人が使うテクニックです。すごいですね。

私は、1985年ころから、私はヤマハFZ400RやFZR400RRというバイクに乗っていました。
かぶっていたヘルメットは当然ケニーロバーツ・レプリカでした。

その後、私も働き始め、オートバイに乗らなくなり、そして、随分時間がたちました。

時は流れ、2015年の秋のことです。
従事していた業界の団体で役員をされている方と話をしていた時、たまたまオートバイの話になりました。
その方は、長年にわたり仕事場にバイクで通勤されていました。バイクに乗っていた関係で、バイク好きの仲間が多くおられたらしいのですが、そのつながりでケニー・ロバーツさんと何度もお会いしたことがあったそうです。
私はびっくりしました。

以下、その時の会話。
「ケニー・ロバーツさんは『キング』の称号を持つ、その道では神様的存在ですよ!」
「えぇーッ!そうなんですか。私はただのバイク好きのおっさんと思ってましたー」
「そうなんですっ(怒)!」
「今度も、また近いうちに会うんですよ。会えばハグしたり、酒飲んだりするんですよ。なんなら、サインもらってあげましょうか」
「うゎー、ぜひお願いします(喜)!」

ロバーツさんは、奥様が日本人で、しかも熊本のご出身でして、よく熊本に来られているそうです。
阿蘇の雄大な自然の中を、バイクで走ることをとても好んでおられるそうです。
現在、在熊の某自動車学校のCMに出演されています。

こうして、私は長年使っていた愛用のケニー・レプリカにサインを頂きました。
その際、ロバーツさんは、サインをされながら、「このメットは、1980年代初頭のGP時代にかぶっていた型のやつだ」とおっしゃっておられたそうです。

私の数少ない宝物の一つです(その中には先代館長や現館長のサインもあります)。

押忍

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