支部長雑感

グラグラ、ゆるゆる

2017年07月16日

「ペンディング」という言葉があります。
「未定」な事柄がある時に使う言葉ですが、「宙ぶらりん」とも訳されます。

私は稽古の時、道場生によく「ペンディングな構えが大切だよ」と話します。
たとえば、試合競技に特化した、あるいは「空手対空手」に絞った戦いならば、かなり偏った構えも可能だと思います。
しかし、真の意味での実戦空手であり、社会生活の中の空手である芦原空手では、相手がどのような人間かわからないのに、始めから決めつけた想定に対するような極端な構えなど行いません。
普段の稽古から、先代館長や現館長は自然体の構えを強調されておられます。
このような自然体の構えは、一見してごく普通であり、一般の人が見ると頼りなく感じる構えであるかもしれません。しかし、柔軟に事に当たれる「構え」は、それ自体特徴がなく、それゆえに柔らかいものだと思います。
館長お二人の構えは、とても柔らかく、見るからに「自由」「自在」な感じを受けます。我々が目指すところでもあります。

マニュアル変速の自動車のシフトノブが「ニュートラル」の位置にある時、シフトノブを手で動かすと、グラグラしていてゆるゆるで、力を入れなくても簡単に動きます。そして、必要なギアポジションに瞬時に入れることができます。
空手の構えもこれが理想と考えます。
どのような人間のどのような攻撃にも対応できる動きのためには、固く力の入りきった構えは危険です。

「グラグラ」「ゆるゆる」がベストだと思います。

以上、この2点について、読まれた方は「なるほど言っていることは道理に叶っているかも」と思っていただけるかもしれません。
しかし、ここからが大変なのです。このような自然体、ゆったりした構えを取ることは、実は容易ではないのです。
それは、相手が自分を倒そうと向かってきているのに、当方はゆったりと構えて「どこからでもかかって来なさいッ(余裕の顔で)」というような精神状態で臨戦態勢に入ることは、なかなか出来ることではないからです。つまり、未完成な技術や未熟な精神のままでは、緊張や興奮のあまり我が身に力が入ってしまうのです。

結論としては、完成された構えの両館長にご指導を受け、そして自分なりに技を理解しただけでは全く足りません。
自らの技にするためには、それを行う精神を含め、長期間継続して努力を続けないと、このような「ペンディング」な、「ニュートラル」な「構え」は身につかないものだと思います。
しかし、もし念願かなってそのような「構え」を自家薬籠中の物にしたときは、余人がなかなか真似しようにも真似出来ない動きとなり、いちおう自分の空手として確立できたと言えるのではないでしょうか。

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